2010年 04月 13日
長年、庭つくりや植栽の仕事をしていると、つくった後の庭を、誰がどのように管理していくのか、またどうやって維持していくのかという問題が、施主のかたにとって、年月の経過とともに大きなくなってくるのを実感しています。
施主のかたが、剪定や病害虫の防除など樹木の管理をきちんとされて、いつもいい状態に保つのか、それとも経験や知識の豊富な専門の業者に頼むのでしょうか。いずれにしても庭を気持ちよく、しかもあまり費用をかけないで管理していくにはどうしたらいいのか、とても気になる問題だと思います。
若くて、体力とやる気のある間はいいのですが…庭は構造物だけで構成されているのではなく、生き物である植物の占める割合も大きいので、歳月と共に手入れの負担も大きくなってきます。草取りの作業を考えただけでウンザリ、ということにもなります。
そんな場合は、自分で管理できる規模の庭に、少しずつ変えていくことが必要かもしれません。一度に解決できる問題ではありませんが、時にはそのようなことも考えてみてはどうでしょう。
こちらは横浜の閑静な住宅地です。道路より1.2mくらい上に住宅があり、車庫の上と道路に面している急な斜面が、庭になっていました。車庫の上は建物にマッチしないコノテガシワが単順に列植され、その内側は雑草だらけでした。斜面はツツジと、もともとあったカシの木、シャラ、勝手に生えてきたモミジと雑草で、住んでいる人にも道行く人にも決して心地のよい緑の空間にはなっていませんでした。(写真①)
①施工前。自然に生えてきたモミジや雑草で、鬱蒼とした雰囲気
斜面の上の庭も安定感のない場所で、手入れもやりにくい状態でした。(写真②)
②車庫上の庭から道路側の斜面を覗く。道路に転がり落ちそうな錯覚に
門扉から玄関に上がる階段横の植栽も、殺風景なツツジの植え込みでした(写真③)。
③単調なツツジの刈り込み
そこで、斜面の植物を整理しました。その上の庭は、歩きやすくするためと、室内から眺めても道行く人が見上げても、すっきりとして見える石張りのテラスにしました。(写真④)
④石張りにした車庫上と斜面上の庭。雑草を抑え、安定感が出てテラス代わりにも
斜面は平らに整地しないで、そのまま残しました。ところどころに目立たないよう石を据えて土留めにして、土が流れないようにしてあります。一年草の草花は手入れが大変なので、葉物と潅木を主にして宿根草を植えています。1年目は植物が充分育っていませんので寂しい感じです。(写真⑤)
⑤道路から見上げた斜面の庭。施工直後
二年目の同じ時期ですが、ようやく庭らしくなってきました。(写真⑥⑦)
⑥道路側から眺めた斜面の庭。下草は、手入れが簡単な宿根草を組み合わせた
⑦斜面の庭の全体。株立ちの雑木は新たに植えたもの。左に見える高木は元からあったサクラの樹。
門扉から階段横にかけての植栽です。低木と下草の組み合わせで、階段を上がっていくにつれ風景が変わるようになっています。(写真⑧)
⑧ツツジを抜き、雑木と宿根草を組み合わせて変化のある植栽に
部屋からの眺め。(写真⑨)
⑨和室から眺める、斜面の上のテラス。アオハダの株立ちで、和風の演出
施主のかたが、剪定や病害虫の防除など樹木の管理をきちんとされて、いつもいい状態に保つのか、それとも経験や知識の豊富な専門の業者に頼むのでしょうか。いずれにしても庭を気持ちよく、しかもあまり費用をかけないで管理していくにはどうしたらいいのか、とても気になる問題だと思います。
若くて、体力とやる気のある間はいいのですが…庭は構造物だけで構成されているのではなく、生き物である植物の占める割合も大きいので、歳月と共に手入れの負担も大きくなってきます。草取りの作業を考えただけでウンザリ、ということにもなります。
そんな場合は、自分で管理できる規模の庭に、少しずつ変えていくことが必要かもしれません。一度に解決できる問題ではありませんが、時にはそのようなことも考えてみてはどうでしょう。
こちらは横浜の閑静な住宅地です。道路より1.2mくらい上に住宅があり、車庫の上と道路に面している急な斜面が、庭になっていました。車庫の上は建物にマッチしないコノテガシワが単順に列植され、その内側は雑草だらけでした。斜面はツツジと、もともとあったカシの木、シャラ、勝手に生えてきたモミジと雑草で、住んでいる人にも道行く人にも決して心地のよい緑の空間にはなっていませんでした。(写真①)
斜面の上の庭も安定感のない場所で、手入れもやりにくい状態でした。(写真②)
門扉から玄関に上がる階段横の植栽も、殺風景なツツジの植え込みでした(写真③)。
そこで、斜面の植物を整理しました。その上の庭は、歩きやすくするためと、室内から眺めても道行く人が見上げても、すっきりとして見える石張りのテラスにしました。(写真④)
斜面は平らに整地しないで、そのまま残しました。ところどころに目立たないよう石を据えて土留めにして、土が流れないようにしてあります。一年草の草花は手入れが大変なので、葉物と潅木を主にして宿根草を植えています。1年目は植物が充分育っていませんので寂しい感じです。(写真⑤)
二年目の同じ時期ですが、ようやく庭らしくなってきました。(写真⑥⑦)
門扉から階段横にかけての植栽です。低木と下草の組み合わせで、階段を上がっていくにつれ風景が変わるようになっています。(写真⑧)
部屋からの眺め。(写真⑨)
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by soyplan
| 2010-04-13 01:55
| 【庭 よもやま話】